自省録
- 作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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自分の将来の創作とかその他もろもろに使えそうな事をメモっている自分用Wikiですが、先日ちょっと編集形式を変えまして。そしたら、今までスルーでも良いかなーと思えてたタイトルにも手が伸びるようになったんで、ローマに引き返してこんな本を読んでみたり。ローマ五賢帝の一人、皇帝マルクス・アウレリウスの警句集という感じ。
とにかく読んでて驚いたのは、一国の統治者の言葉とはとうてい信じられないくらい、圧倒的に自己完結した哲学が語られてた事でした。称賛も名誉も、自分とその周辺の人が死んでしまえばすべて塵に帰る程度のものであり、永劫に続く宇宙に対してはほとんど意味を為さないのだから顧みる必要が無い、みたいな、万事そんな調子であって。それが権力者として謙虚であるべきとかそんな生易しいものじゃなく、もっとストイックで内向的な倫理なので。正直、タイトルと著者その他全部伏せて読まされたら、とても世界史に冠たる大国の皇帝が書いたとは信じられなかったと思います。しかも、善政をしいていたという……。
ほんと、人事をどうしようとか、人民の統治とか、そういう話が全然出て来ないの、異様ですらある。
同じ意味のことを繰り返し書いているのも、自分に繰り返し言い聞かせているようで、なんともいえないストイックさを感じます。
確かに、こういう人が善政を敷くというのは分からなくもない(実務方面で優秀な人材が部下にいれば)。けど、たとえばこの人が選挙に出たら勝てるかっていったら勝てないよなぁ多分、とか、まぁそういう事も考えてみたりw
いろいろ思うところがありました。こういう箴言集的なものはなんだかんだ好きなので、折を見ていろいろ読んでみようかと。