食卓歓談集


食卓歓談集 (岩波文庫)

食卓歓談集 (岩波文庫)


古書店で見かけて気まぐれに手に取った本。息抜き読書にちょうどいい軽い内容でした。


 宴会での話題を採録したという形式なこともあって、かなり「どうでもいい」話も多かったりはします。お酒に酔いやすいシチュエーションとその理由とか。
 とはいえ、そこがこの手の本の逆説的なところなんですけれども、2000年前の「どうでもいい話」はどうでもよくない、むしろ貴重な話なんですな(笑)。現代の我々にとっては十分価値がある。
 天下国家の大問題みたいなのは、重要なだけにいろんな人が記述したりしてますけど。どうでもいい話はそれらに比べると残りにくいわけですよ。だからこそかえって貴重だったりして。
 本書も、プルタルコスの時代のローマの風俗や日常がいろいろ垣間見えたり、興味深い話がちらほら拾えたりする楽しい本でありました。
 この本の内容は『倫理論集(モラリア)』の中の一部だそうなので、将来よほど余裕があったら、全体も読んでみたいですな。
 そんな感じ。