科学と方法


科学と方法―改訳 (岩波文庫 青 902-2)

科学と方法―改訳 (岩波文庫 青 902-2)


 こちらは版が古いのか、旧漢字でした。といっても、以前同じく旧漢字の『ローマ帝国衰亡史』を通読するという荒行をした成果か、現代漢字仮名の本とほぼ変わらないスピードで読めたと思います。善哉。


 『科学と仮説』の方と関心の方向性はけっこう似ている本だと思いますが、こちらはペアノの公理への批判がより先鋭でした。多分、昔『数学ガール』シリーズで予習してなかったらチンプンカンプンだったはずで、うむありがとう結城先生、という感じ。
 あと、教育方面にもかなり関心が広げられてました。
 ポアンカレについては、数学の中でも複数分野に目配りが利いていた最後の数学者だというような話もあり。それに加えて物理学の方にも視野が開いてたわけですから、やはりこの時代の学者すごいなぁ、と。


 うむ、なんだろう、読んでる間はもっと色々感慨があったんですが、いまいちまとまりませんねぇ。とはいえ、理系学問の論述の立脚点について、あるいは帰納法についてなど、いくつか示唆も得たので、一応前進ということにします。
 さて、とりあえずどんどん次。