方法序説


方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)


 ええ、実は読んでなかったのです。読んでなかったのだからしょうがない。読みましたとも。


 まぁ、私自身、どちらかというと形而上学が苦手というか、肌に合わない感じは多々ありまして。元々荒俣宏博物学なんかで胸躍らせていた身ですから、形而下のあれこれを追い廻してる方が性に合ってるっぽいという(笑)。
 そういうわけなので、本書もざっと目を通すくらいの読み方しかしていないというのが正直なところ。おそらく、この本の良い読者ではなかったでしょう。
 とはいえ、急に生物の心臓の構造についてわりと詳しく述べ始めたり、意外なパートがあって、こういうのはやはり有名タイトルでも読んでみないと分からないところだな、と思ったりして。それなりに楽しく読むことはできました。


 まぁ結局、一番根本のところに共感していないからどうしようもない部分もあって。永遠、不変、無限、全知、全能の、つまるところ「完全」な存在というのを大前提として想定するかどうかという、話のスタートの部分でつまづくわけなのですが。
 その辺の溝まで含めて、距離を測っておくしかないですねぇ。