東方緋想天 感想


 ネタバレ注意なんですよ。






 とりあえず、東方緋想天のストーリーモードを一通りやったところで、軽い感想でも。
 といっても、最初にノーマルモードでちょっとやった時点で、「あー、これ無理」とすっぱりあきらめて難易度イージー固定しました。格闘ゲーム駄目です。基本的にアバウトな目分量で何となくな動きしか出来ない人なんで。


 それでも、何だかんだで格闘ゲームに、シューティングゲーム的な「攻略」の要素が入ってるのは面白い構成だよねぇとは思います。いや、萃夢想の頃からそうだったんですけど。


 各スペルカードの演出も強化されてますし、全体のテンポも良いんでプレイしてて爽快感があります。あと、私のようなヌルい格闘ゲームプレイヤーには、スペルカードがボタン一つで出せるのが有難すぎる(笑)。


 で、このゲームはトレーディングカードの要素も入ってまして、自分でデッキを組んで出せる技をカスタマイズできたりするという。これも、格闘ゲームに対する新しいアプローチとして面白いんじゃないかなと思ったり。ネット上をうろちょろしてると、アーケードの格闘ゲームが「プレイヤーの新規参入がどんどん少なくなってる」っていう話も耳にしますけど……そういうのに、新しい風を吹き込むような効果が出来ればいいよね、とか。
 無論一方で、この緋想天ゲーム中でのカード集めが「作業プレイ」だっていう不評が出てるという話も聞いてますが……んー、まあそれも一理あるだろうけどね。けど君ら、普通のトレーディングカードゲームに比べればね、ほら。お金かからないだけマシだって!(ぇ


 さて、私はもっぱらストーリーを目当てに買ったわけです。
 今回は博麗神社が地震で倒壊というのが発端で、実はストーリー進めていくと、地震というのが全体のメインテーマであるようでした。
 うーん、何ていうか、同人で良かったよ、これ。ちゃんとした会社から出す商品だったら、四川大地震で販売自粛だったかもしれない。タイミング的にね。
 東方ののんびりした空気は、大災害が実際にあっちゃった直後だと、不謹慎ともとれない事はないからなぁ。
 しかし実際プレイしてみると、たとえば幽々子様ストーリーとか魔理沙ストーリーとかやってると、実はぼんやりと「日々の防災をしなさいよ」って言ってるのが伝わってくるんで、そういう意味ではタイムリーで、今出す事に意味があったのかもしれない。
 うちも、書棚をちゃんと固定するとかしとかないとなぁ。まあ、基本的に愛書家というのは、大地震が来たら本に埋もれて死ぬ運命にあるものなんですが(えぇ〜


 で、各キャラのストーリーを一通りやって、印象に残ったのは……レミリア様のルートでした(笑)。
 もぅ何ていうか、楽しそうだなぁ、本当に。力があるのを良い事に、遊び放題です。私ももし500年とか生きられるなら、ああいう遊び上手な存在になりたいねw
 そして、全国のレミリアファンに衝撃を与えた、射命丸文ルートでのレミリアお嬢様登場シーン。よほど暇だったらしい。あれには参りました。必殺「ハートブレイク」って感じ(黙れ
 にしても、射命丸と仲良いなぁ。どっちもノリノリ。


 そういえば、レミリアルートで、霊夢に対してあの言いぶりも気になりました。やっぱ、お嬢様基本的に霊夢のこと好きなのね。他のキャラ相手だったら、ああは言わないわけで。
 とかく、なにやら不穏な方向に株を上げた今回のレミ様でした。


 ネタで言うなら、新キャラの永江衣玖さんですか。何度プレイしても、雷符「神鳴り様の住処」でのサタデーナイトフィーバーポーズで失笑するんですが。
 ドリルも装備して、東方ネタキャラ界の期待の新星です(笑)。物腰自体は常識人っぽいのもポイント高いようで。
 まぁ、地震の警告に来るだけのキャラなんで、二次で他キャラと絡ませるのは難しそうですけど。……その辺はどうとでもなるのかな、界隈の人たちは。


 あとは、目からビーム属性が付与された(?)新規参戦のうどんげと、鎌の扱いがかっこいい小町。どちらも使ってて楽しかったです。まあ、小町の強射撃の使いにくさには閉口しましたが。


 で、今回のラスボスは天人、比那名居 天子さん。基本的に、東方作品のラスボスといえば、「まあ何だかんだで気の良いヤツじゃん?」ってことで最後に宴会やって終わりっていう形になるわけなんですが、今回は珍しく、けっこう嫌なヤツっぽい性格で。おまけテキストで神主の解説に「レミリアとタメをはれるほど身勝手」的なことが記述されてますが、具体的な損害がシャレにならないレベルになりかねないという意味では、ちょっとアレです。
 そういえば、萃香ルートで、「天人は本当に魚釣りが好きだねぇ」という萃香のセリフがあるんですが、よく考えてみたらあれ、「そんなエサにこの俺がクマー!」の意味での釣りなんですね(ぇ  そういう意味では、天子さん、かなり性格悪いですw
 で、そんな天人の姿勢と、博麗神社、幻想郷そのものに甚大が被害が出かねない「過ぎた遊び」のために、今回珍しく八雲紫がマジギレしていた模様。まあ、マジギレしても一見したところ言動は変わらないように見えるんですが……そういう人が怒るのが一番怖いというのは、世の道理。人じゃないですけど。


 しかしそんな状態ながら、最後に萃香がはからいをして、天子に腹立った人たち合同の仕返し大会が行われる過程で、感情の溝もおおよそ埋められて概ね和解。あーもー、萃香良いヤツだな! こういう計らいが出来るキャラは尊敬する。
 同時に、何だかんだで、弾幕で全力でぶつかるっていう形でわだかまりも消化できる幻想郷の住人たちは、大人だなぁって思う。 ……否、今や大人の方が、こういう感じでわだかまりを消すのが苦手だもんね、現代においては。彼女たちはそういう意味では、本当に素敵だ。
 こういう意味で、幻想郷は正に理想郷だよなって思います。


 にしても、風神録で神奈子と諏訪子の分社を置いたのに続き、今回は要石についても何か含みのある書き方がされてましたし、博麗神社を取り巻く事情も変わってきてて、その辺が非常に気になりますね。
 今後もまた、どういう表情を見せてくれるのか。東方の今後の展開に、引き続き期待。
 ともあれ、非常に楽しみました。時間があいたら、アーケードモードとかで、デッキいじりながらもう少し遊んでみようかな。