ロボットは涙を流すか


ロボットは涙を流すか (PHPサイエンス・ワールド新書)

ロボットは涙を流すか (PHPサイエンス・ワールド新書)


 ちょっと思うところあって、ロボットや人工知能関連の本を少し仕入れてみたりしているわけですが。とりあえず取っ掛かりとして。


 内容はといえば、最前線で活躍するロボット技術者の人が、わりとフランクにSF映画中のロボットについて語るというもの。そうした編集の工夫のせいか、肩肘はらずに楽しめました。


 以前、ナツメ社の『図解雑学ロボット』を読んだ時も思ったことですが、ロボット製作というのが、何と言うか、人間にできないような凄い事が出来るものを作ろうとしている、というよりは、単に生き物を先端技術で再現しようとしている、という。なので、ロボットの本を読むと、大なり小なり生物学の知見を勉強する羽目になる(笑)。
 なので、ロボットの知能というのも、そういう風になっていくのだな、という事でした。この本の著者の方は、赤ん坊のロボットを開発して、その認知発達の研究なんかもしているそうなので。
 そして、ロボットの知能をどのように設計していくかを分析しているうちに、気がつけば人間観察が延々と話題にされていたりもする。


 その辺の話を読んでいて、いろいろと考えさせられました。
 まあ、いろいろ考えた事は、ここには書かずに温めておく事にします(ぇ
 しかしこの著者の人も、『トランスフォーマー』を見て、即座に簡単な可変ロボットを実地に作ってしまうという、フットワークの軽さというか、実行して試してみる身軽さが良いですね。変に理論をこねくり回すよりは、とりあえずトライ&エラーしてみる、という。それがまた、目指すロボット像とも重なっているわけなのでした。トップダウン式に、すべてをプログラミングされるままに動くロボットから、自分で学び、考えるロボットへ。


 その辺からインスピレーションを得つつ。気軽に読めて色々と考えさせられる良い本ですよ。