ブギーポップ・インザミラー《パンドラ》
- 作者: 上遠野浩平,緒方剛志
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1998/12/10
- メディア: 文庫
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一時はそれなりにブームにもなったこのシリーズも、今や新刊書店では滅多に見かけないような状態です。
そんな作品に対して、もうなんというか甚だ今さらだけれど、念のため――以下、ネタバレ注意(笑)。
イラストが、私個人が思い浮かべたものとほとんど全く違うイメージだったので、なんかかなり色々不満あり。香純くんは断じてもっとカッコイイと思うのさ(笑)。
まあそれはそれとして。未来予知らしき能力を持った六人の物語。タイトルにいるブギーポップさんは最後に後始末役で登場するだけ。つまりレギュラーキャラほとんど登場しないままで話が進んでいくのだけれど、それでも退屈させずに、シリーズ読者をラストまで引っ張っていく筆力はなかなか。
六人それぞれに違った形での未来予知の方法を与え、しかもそのうち二人の能力はフェイクだったり。この辺の凝った感じもなかなか。変化球でストライク取れるピッチャーってすごいよなぁ、みたいな感覚。私、ストレートしか投げられないからね(苦笑
まあ、最後の締めが少々ゆるいというか、尻切れトンボな感じもなくもないけれど、その辺は次回作を読めと誘導されているような気もするw
同様に、いまいち、直球でドンと来るような、「うぉ、すげー!」ってなるようなシーンや趣向もなくて、「うまいなぁ」って感心しているだけな部分もあり。
前作のイマジネーターの話だったら、飛鳥井仁と衣川琴絵の最後のやりとりとか、けっこう「おぉ〜」って感動しながら読めたんだけどな(ていうか感動したところがあったなら前回の感想でちゃんと書いとけよ俺)。
まあそんな感じで。あと、こいつの後書きはかなりいけ好かない(笑)。