当解説記事の基本姿勢について(コメントへのレス)

 第17話解説記事のコメント欄に、とおりすがりさんよりコメントをいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/zsphere/20130210#c


 全体的に非常に面白い見解で、フリット編を1stガンダム、アセム編をZ、キオ編をZZ〜V、三世代編をそれ以降と見るのは、AGE1〜AGE−FXのデザインや主人公の設定から自然に想定できる仮説であると思います。


 また、イゼルカントを富野監督に見立てるというのは、私もちらっと考えたりした魅力的な見方だと思います(笑)。個人的に、ガンダムAGEを後継者選びの物語と見た時に、アニメ業界を連想して、宮崎駿の後継者選び問題なんかと絡めて、イゼルカントと富野監督を重ねて考えたりしたことがあります。まぁ、まとまらなそうだったので本記事には書かないと思いますが。



 そんなわけで非常に興味深く拝読したのですが、その上で私がこの記事を書き進める上での基本姿勢を改めて明らかにしておきたいと思います。



 私が現在執筆しているこの「ガンダムAGE各話解説」ですが、これは「この読み解き方が唯一絶対の正解!」というつもりで書いているものではありません。
 そもそも、ガンダムAGEに歴代ガンダム史を重ねて見るという場合、その発言者の「ガンダムシリーズへの認識」が色濃く出てしまうのは避けられない事です。そして既に30年以上、様々なメディアで展開しているこの「ガンダムシリーズ」全体に対する見方、考え方、捉え方は、これはもう十人十色、人それぞれ違うはずで、私のガンダム観が納得いかない方や異論がある方は必ず出てくるはずです。


 筆者である私は、小学生時代にSDガンダムをよく見ていて、そこからゲーム『Gジェネレーション』を経て歴代ガンダムに入っていった人間です。仮にまともに本放送を見ていたとしても子供時代に放映されていたのは『Vガンダム』。初代ガンダム放映時点では私は生まれていません。ですからファーストガンダムZガンダムを本放送でご覧になった方の心境や、その時代背景ははっきりとは分かっていません。また恥ずかしながら富野監督のガンダム以外の仕事(特にガンダム以前の仕事)はほとんど見ておりませんので、特に本記事でもフリット編の読み解きには、かなり片手落ちな部分があるのだろうと思います。



 ですから、これからも、また今後も、私は本記事を「筆者はこのように解釈した」というスタンスで書いていきます。そしてそれは、数ある読み解き方の一つである事をご了解ください。ガンダムシリーズのどこを重視するか、どのテーマを重んじるか、どこに力点を置くかで、ガンダムAGE全体の解釈は違ってくるはずです(まぁそれが、AGEを評する場合の難しさでもあると思いますが)。
 私が、大まかに「フリット編=ガンダム以前から初代ガンダムまで」「アセム編=ZからガンダムXくらいまで」「キオ、三世代編=21世紀以降のガンダム」と見ているのには、これはこれで理由があります。つぶさに見て行った時に、オマージュされている作品の対応関係がおおよそ上のようになっていると私が判断しているからで、それは記事が進むうちに逐次書いていく予定です。私の見方の当否については、また記事が完結した時に読者の皆様に判断していただければと思います。



 そして。
 とおりすがりさんのように、「そうではなく、ガンダムAGEとガンダム史の対応関係はこうなんじゃないか」という異論がある場合、叶うならばそれを独立した形で、世に問うてもらえればなと思うのです。
 なんといってもその論者のガンダム観が関わってくるため、読者が論旨を追えるレベルで詳述しようとすると膨大な量になると思います。箇条書きでは伝わらないでしょう。私が多大な時間を割いて、各話解説という形で記事を書いているのも、分量的にそれくらいの枠を作らないと言いたいことが入りきらないという判断をしたからです。
 たとえばとおりすがりさんの挙げたうち、「シャナルア=ターンA」というのは、私の∀ガンダム理解の範疇では「?」でした。ピンと来ない部分がどうしても出てきてしまうのは、たとえば「∀ガンダム」の評価自体が人によって割れるわけですから、ご理解いただけると思います。


 ……で、そうした細かいところまでの論述を、うちのコメント欄で皆が書き始めてしまうと、恐らく収集がつかなくなってしまう(笑)。


 それよりは、ブログでもいいし、Toggeterでも良いので、まとまった形の論にして「私はこう見た」という形にして頂きたいという希望があります。その上で、私に「こんな記事書いたよ!」と言って頂ければ、ホイホイ見に行きますので(笑)。
 また、そのようにガンダムAGEへの発言の総量が増えてくれば、それがガンダム界隈でAGEを見直す動きにも長期的につながっていくだろうと思うのです。インターネットというメディアは、内容だけではなく、対象に関する情報の総量が影響力を決定する場所ですから。
また、AGEは確かにシナリオ構成などで不備も多い作品だったと思いますが、しかし頑張ってた部分についてはそれなりに正当に評価されて欲しいとも思っていますので。



 ……以上、そういうわけで、とおりすがりさんの見解は興味深く拝見しつつ、私は私の予定通り、引き続き記事を書いて行こうと思います。悪しからずご了承くださいまし。