化学トリック だまされまいぞ

化学トリック=だまされまいぞ!―化学推理クイズ (ブルーバックス)

　こちらも、化学系の雑学など多少は仕入れられるかと思って読んでみた本。
　大体こう、本丸を攻めに行く前に、外堀を埋める的に周辺の雑学っぽい本を読んでみたりという、ある意味チキンな行動習性があるのですが。しかし大抵、どちらかというと後悔する事が多かったりして。

　化学知識で解決できるたぐいの、謎かけと解答という形式のショートショート集のような体裁をとっていますが、うーん、正直ちょっと半端な内容でした。
　最初の方こそ、事件→解決みたいな構成の話でしたが、後半になるほど苦しくなってきて、単に化学トリビアに関する雑談がされてるだけ、みたいな、もう物語形式にする必要ないだろ的な感じになっていくという。ちょっとねぇ、なんかねぇ。
　そしてやっぱり雑学本なので、化学関係の体系的な理解へ導くような、そういうガイドにもなっていないのでした。
　まぁそういう趣旨の本じゃないと言ってしまえばそれまでですが。

　やっぱりさ、こういう本は、読者をより高度な勉強へ導いて、引き上げるという大局的な目標をもって作られてないと面白くないと思うんですよね。トリビア的雑学だけ並べても、「ふーん」で終わってしまうわけじゃないですか。化学には化学の体系があるんだから、そういう体系に触れられるっていう領域まで、連れて行って欲しいよなと思います。
　正直、これを読むなら、『アリエナイ理科の教科書』読んだ方が良いです。