『不思議の国のアリス完全読本』

 

不思議の国のアリス 完全読本 (河出文庫)

不思議の国のアリス 完全読本 (河出文庫)

 

 

 

 年初にあたって、とりあえず軽くウォーミングアップ的に読んでみた本。

 不思議の国、鏡の国の両作品を軽く紹介しつつ読解する的な内容のもの。

 

 なんだかんだアリス関係の書籍はいくつか読んできた身で、多少舌も肥えております。本書については、入門書的には悪くは無いけど、個人的にそこまでスマッシュヒットというほど感興はなかった感じ。

 この辺、アリスという作品の難しいところで、子供向け作品として、あらすじの奇想天外な冒険を素朴に楽しんでも良い一方で、マーティン・ガードナーのように物理学や論理学のディープな知識を援用してとことん深読みしてもいいわけですよ。そういう難しい読みもところんできるという。で、私はガードナーから入ってしまったので、副読本系はよほどの深読みでないと楽しめなくなっているという(笑)。

 

 ただ、どうあれ本書を読んでいる間、私が純粋にアリス作品のことだけを考えていた事は確かです。それが大事なことで、自分以外の誰かの読み方と突き合わせることで、どういう形であれ自分の読みも磨く形になるのですよな。

 本書を読みつつ、久しぶりにアリス作品についてじっくり浸る時間を持てて、非常に満足したことでした。いくつか新しい観点ももらいましたし。

 

 そんな感じで2019年はスタートしたわけであります。