バスカヴィル家の犬
- 作者: アーサー・コナンドイル,Arthur Conan Doyle,小林司,東山あかね
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/04/08
- メディア: 文庫
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タイトルだけはやたらと耳にしていたホームズ長編。
これは、さすがに文句なしに面白かったです。すごいハイレベル。
そうか、こんな最初期から、伝奇ミステリの決定版みたいな出来の作品があったんやなーという感嘆に溜め息しか出ないみたいな状態でした。恐ろしい言い伝え、不気味な旧家の屋敷、じわじわ高まる緊張感。こんなん面白いに決まってるというか。
あと、言い伝えの有る現地に行く前、ロンドンでもすでに謎がばら撒かれてるあたりも上手いよなぁ。途中でホームズが一旦抜けるのも焦らしテクニックとして上手い。もう全部上手い(笑)。
個人的に、相談なしでいきなり「ワトソン君が行ってくれるでしょう」と無茶振りするホームズと、それに対しての最初の述懐が「これから冒険が待ち受けていると思うときほどワクワクすることはない」的なリアクションで完全に「あ、この人も大概だ」って感じになるワトソンとの関係性が楽しかったです(笑)。ホームズの変人ぶりばかり強調されるけど、ワトソンもなにげに豪傑だよなぁ。
あと、不在中熱心に手紙で報告したのに反応が薄いと怒るワトソンと、「いや君の手紙は熟読していたんだよ」とよれよれになった手紙を見せるホームズ、みたいなやり取りも、なんだこのオッサンたち可愛いかよ、みたいになるので大変良かったです(笑)。
シンプルにエンタメとして楽しめたので、これはもっと早い時期に読んどきゃよかったなぁと思った次第でした。さてさて。