シャーロック・ホームズの冒険

 

 

 引き続きホームズ原典全部読む計画進行中。

 

 短編集。多分これは昔読んだ事あったような気がする……んだけど、「赤毛組合」以外一切記憶に残ってなかった。一体どんな読み方したのだ、昔の私……w

 

 さすがにどれも面白く、退屈せずに読んだことでした。一度ホームズというキャラクターが読者の中に定着してしまえば、そこにヘンテコな依頼人が来るだけでもうワクワクできるわけで、なるほどなと。

 しかし最初に依頼人が訪ねてくるという単一のパターンだけでなく、たまにパターンを外してきたりもして、その辺のバリエーションのつけかたもなかなかに。勉強になるなぁ、という感じです。

 

 本書で特に面白かったのは、たまに、完全解決には至らない話が混じってることでした。ホームズの推理の冴えはあったけれど、残念ながら犯人逮捕にまでは至らなかった事件。ミステリのパターンとしては尻切れトンボで読者に不満を残しそうなものですが、むしろたまにそういう話が紛れてることで、「たまにはそういう事もある」という実録ものとしてのリアリズムを感じさせてくれているように読めたわけですね。なるほど、そういう工夫があるのかと。

 

 前述のようにほとんど内容を覚えてなかったので実質初読と同じように読み、結果として全然事件の真相を看破できずに悔しく読み進めたわけですが(笑)、逆を言えば初読と同等に楽しめたわけなので、幸せな読書だったのでしょう。

 話の展開として特に面白かったのは「唇のねじれた男」。あと、「まだらの紐」は事件の真相自体は最初から知識として知ってたわけですが、ストーリー展開としてはそれでも楽しめたので良い短編だなと。

 「ボヘミアの醜聞」のアイリーン・アドラーも、これで読んでそれなりに印象に残ったところに、FGO本編でちらっと名前が出たりして、原典を読んだ甲斐もあったと喜んだりとか、まぁそういう事もございました。

 さてさて、まだ先は長いので。気長に読み進めましょう。