ハムレットと海賊

 

 

 とある事情で息抜き読書。たまにはね、こういうのも。

 

 本書自体がすごくエポックな本というわけではないんだろうけど、でもたまにこうして色んな事象を横断的につなげてくれる本って、視野が広がって良いんですよな。

 本書も、無敵艦隊撃破した頃のイギリスを巡る歴史の話と、ハムレットの文学的な読解と、その周辺をいろいろ繋げてくれて、いろいろ楽しく読めました。

 こういう題の本ながら日本人が著者、というのの利点と言うのは、同時代の日本とも話を繋げて、よりテーマに接近しやすくしてくれる事で。同時代の日本は徳川家康の時代なわけですが、三浦按針を本書で触れたような視点からじっくり見た事なかったので、なるほどと頭の中で補助線を一本引けた感じがしました。それだけで十分収穫なのだ。

 

 ま、こういう本をチラッと読めるのも、数年前に頑張ってシェイクスピアをがっつり読んだからなわけで、ああいう有名古典はやはり足場として優秀ですな。まぁ、『リチャード3世』などの史劇はちゃんとしっかり読めてなかったので、そこは弱かったところですが。劇構成でスターウォーズとの近似の話が出たりとか、いろいろ面白かったり。

 

 こういう本で頭の片隅に関心のアンカーを打っておいて、後は必要になった時に掘り下げれば良いのでね。そういう意味で、まずまず有意義だったと思います。

 そんな感じ。