シャーロック・ホームズ最後の挨拶
シャーロック・ホームズ全集8 シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (河出文庫)
- 作者: アーサー・コナン・ドイル
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/09/12
- メディア: Kindle版
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最後の挨拶(最後とは言っていない
例によってネタバレ注意。
この辺りから、少し読み味が変わって来たような印象を受けました。特に「悪魔の足」辺りが顕著なんですけど、謎解きの論理性そのものよりも、外部からやってきた異質な要素の鑑定、というような、ホームズの役割がすこし変わってきているようなイメージ。まぁこの感触については『事件簿』の方の感想でより詳細に書きたいと思います。
あと、なにげに国際謀略ネタも多いんですよね、ホームズのシリーズ。今でこそミステリの系譜で振り返られる作品ですけど、なにげに国際謀略サスペンスとか伝奇ロマンとか、いろんな分野の面白さを貪欲に取り込んだバラエティ豊かなシリーズですよな。そこを楽しんで読めたので良かったと思う。学生の頃は「ミステリ」としか認識してなかったから、あの頃に読んでたらミステリ要素しか拾えなくて「物足りない」という感想になってたかもしれない。
あと「瀕死の探偵」は以前どこかで読んだ記憶がありネタは知っていたわけですが。しかし知らなくてもこれ、短編集の冒頭で「ホームズが余生を農場で優雅に過ごしている」的に語られているのでこの瀕死が狂言であることバレバレだし、もうちょっと何とかならんかったんか? みたいに思わないでもない……(笑)。まぁでも、そういうシリーズ構成のゆるゆるなところも含めて楽しいわけですけどね。
さて、そんなわけでホームズも残り一冊、というところまでいったわけですが。