フルメタル・パニック 揺れるイントゥザブルー



 一応、ネタバレ注意。






 なんかこのシリーズ、読むたびに「上手いなぁ」って言ってる気がします(笑)。
 今回も、ミリタリ絡みのディティール描写に、かなめ、宗介、テッサの三角関係描写に、宗介、クルツ、マオの信頼関係の描写にと。とにかく多方面に上手い。


 今回、裏切り者が二人出るわけですが、多国籍な兵を集めたトゥアハー・デ・ダナンらしい理由で、その二人が裏切った理由から、逆にこの組織の性格も今まで以上に浮き彫りになって、二重に良い効果を出してるし。
 また潜水艦ならではの危機の描写と逆転劇も、ラノベの中ではかなり目新しいでしょうし。
 シビアなところはシビアで、特に今回は割りと重苦しい空気が続く話でしたが、最後の締めは爽やかで、気持ちよく本を閉じられるし。
 やっぱり、周到な作者さんは違うね。


 というわけで、今回も特に取り立てて気になった問題点などもなく、褒めっぱなしで終わるわけですが。
 なんだかなぁ、読んだ本の感想を書いている身として、これはこれでなんか負けたような気になるぜ(ぇ