『デイ・アフター・トゥモロー カイ・シデンのメモリーより』
機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより― (1) (角川コミックス・エース)
- 作者: ことぶき つかさ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/10/26
- メディア: コミック
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機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより― (2) (カドカワコミックス・エース)
- 作者: ことぶきつかさ,矢立肇,富野由悠季
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/21
- メディア: コミック
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気が向いたので買ってみました。Gジェネに始まったガンダム熱がまだちょっと続いている感じ。
宇宙世紀を舞台にしたガンダム漫画なのですが、バトルシーンはほぼまったく無し。ジオン共和国で行われる一年戦争展にオブザーバーとして呼ばれたカイ・シデンを主人公に、一年戦争でのエピソードを振り返りつつ……という話。
端的に言って、これはすごい作品だと。多分、私が好きなガンダム漫画のオールタイムベストで5本の指に入るくらい気に入りました。
宇宙世紀という世界観が、こんなプロットの話を作れるくらいの奥行と深さを持っている(あるいは持つようになった)という事に素直に感動。ジャーナリストの目から、政情や世論、企業、業界、そして何より時代についてしっとりと、落ち着いた語りが出来るというのが。
ガンダムの持つ世界というのが、単にメカや、極限的な非日常(=戦場)に酔うためだけのものなら、私はとうの昔にガンダムに飽きていたと思うのです。『ガンダム』はただメカによるバトルだけではなく、企業も、政府も、民衆も、その他戦争に付随する様々なものを描いてきたし、そこから「時代」にアプローチしようとしてきたわけで、それが私にとって魅力だったのです。
そしてこの作品は、宇宙世紀を取り扱いながら、「連邦」と「ジオン」の関係を描いて、そこからちゃんと現実の「今」にメッセージを投げかける周到なプロットが引かれていて。ただ一年戦争を回顧したいだけの話になっていなくて、これはすごいなぁと。
まぁ、一年戦争の回想部分については、ちょっとやりすぎじゃないの?っていう部分もないでもなかったですが。そこは人によって好みが分かれるかも。
あと、こういう性格の話なんで、出てくる人物が渋すぎて何ともw ウォン・リーにジョブ・ジョンにロイ・ユングにバロムという(笑)。良くも悪くも、ディープなガンダムファン向けの作品ではありました。
あと、ハロを発売していた企業なんかも出て来てて、何気に最近、宇宙世紀の、軍事関係でない企業名や人名なんかの情報も充実してきたような気がします。そろそろ誰かWikiとかでまとめないかなーと思ったりも。宇宙世紀非軍事企業・人名ウィキ、みたいな。私が出来たらやりたいんですが、さすがにAGE解説だけでも手一杯ですからねぇ……。
ともあれ、非常に良い作品に出会えて幸せでした。これだからガンダムファンがやめられないのですw