遊星よりの物体X(1951年版)


遊星よりの物体X  THE RKO COLLECTION [Blu-ray]

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 タイトルとしては、後年のリメイク『遊星からの物体X』が有名ですが、本作は白黒時代のもの。
 あんまりスプラッタだったり怖い映画だったりすると苦手なんだけどなーとビクビクしながら見ましたが、まぁこの時代の映画はまだしも、過激さは抑えめなんで安心して見れます。


ガイガーカウンターが激しく反応しています! 放射線量が高い!」 って言ってる場所に普段着でガシガシ近づいたり、「UFOが氷の中に埋まってます、爆破して取り出しましょう! あれ、UFOも一緒に爆発炎上しちゃった、てへぺろ」とかいう展開だったり、わりとゆるふわ系な描写で大変リラックスして見られました(笑)。中盤まで怪物出て来ないし。
 とはいえ、話の見せ場というか勘所は大変シンプルで、それがシンプルなセンスオブワンダーを感じさせてくれて、視聴感覚としてはとても楽しかったです。昔の映画のネタでは楽しめないという場合もありますが、逆に昔の有名作品は皆ネタがかぶるのを避けるので、古い作品が案外新鮮に楽しめたりするケースもあるんですな。まぁ、私がSFあまり詳しくないせいかもしれませんが、詳しくないせいで楽しめたなら万々歳ですから(笑)。


 そんなわけで、当初の心配とはかけ離れた、怪奇SFのわりにどこか牧歌的な空気を感じる、私好みの作品でありました。
 テーマ的に、「学問の発展や、ジャーナリズムによる報道の重要さもいいけど、緊急時には緊急時の対応ってもんがあるだろ」という辺りが強調されるのは、まぁ平和だからですよね。でも、あの科学者さんとか最近のハリウッド映画なら間違いなく死んでるキャラだと思うんだけど、なんだかんだ生き残るあたり、この時代の映画は優しいなぁw
 そんな感じでした。